キャスパーチェアー背板圧力計測

1. 目的

キャスパーチェアーでは、背もたれに「もたれる」のではなく、背もたれに「乗せる」という新しい発想のもとデザインされてきたが、今回、回転軸と背もたれの位置関係による「乗せ心地」を科学的に検証する為、背もたれにかかる圧力を計測すると共に「乗せ心地」という主観的ではあるが、重要な要素も合わせて検証し、キャスパーチェアーでの背もたれ支点位置の範囲を新しく発見し、その範囲を定義することを目的とする。

2. 計測方法

計測方法 調整機構付キャスパーチェアー

調整機構付キャスパーチェアー

計測方法 背もたれに圧力センサーを取り付け、パソコン画面上で圧力分布等を確認する。 背もたれに圧力センサーを取り付け、パソコン画面上で圧力分布等を確認する。

背もたれに圧力センサーを取り付け、パソコン画面上で圧力分布等を確認する。

方法①

回転軸から背板上部までの距離が60mm がベストとする。ベストな位置から回転軸に対して背板上部の高さを10mm ピッチで上下させ、背もたれにかかる圧力変化を計測すると共に「もたれ具合」を5段階評価し、感想を付け加える

方法②

左右の回転軸を結んだ線と、背カーブの持たれる部分が交わる位置関係をベストとする。ベストな位置から、回転軸に対して背もたれを10mm ピッチで前後に移動させ、背もたれにかかる圧力変化を計測すると共に「もたれ具合」を5段階評価し、感想を付け加える

背板上部 回転軸と背板上部までの距離 回転軸 背カーブ 背カーブと回転軸との交点 回転軸

数値の見方

計測風景

計測風景

10 段階評価の1をベストな位置関係とし計測する。
右表参照
一番濃い青は5.0mmHg の圧力を表し、青色が薄くなるに従い圧が上がり、黄緑で約100mmHg を越え、黄色で約130mmHgを越え、オレンジで150mmHg を越え、赤で約200mmHg になる。

体圧分散グラフ
体圧分散体圧分散

ベストな位置による計測では、座面も背板もまんべんなく圧力が分散している

3. 方法①による検証(回転軸3から背板上部までの距離が60mmが最も良い1とする)

背板ベスト位置より10mm上 ほぼベストな時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗って違和感などは無い 背板ベスト位置より20mm上 10mm上の時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗っているが、若干下部の方に当たっている部分が移動したように感じる 背板ベスト位置より30mm上 背中が背板の下部の方に当たり、身体の重さが背板に乗っている感じがほぼ無くなり、大きな違和感を感じる。 背板ベスト位置より10mm下 ほぼベストな時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗って違和感などは無い 背板ベスト位置より20mm下 やや背板の上部に重さが集中する感じがあるが、違和感を感じるまではいかない 背板ベスト位置より30mm下 背中が背板の上部の方に当たり、身体の重さが背板に乗っている感じがほぼ無くなり、大きな違和感を感じる。

4. 方法②による検証(回転軸を結んだ線と、背カーブの部分が交わる位置を最も良い1とする)

背板ベスト位置より10mm後ろ ほぼベストな時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗って違和感などは無い 背板ベスト位置より20mm後ろ 背中が背板全体にしっかりと重さが乗っているが、広い面で乗っていた感じがその面積が少し減少した感じ 背板ベスト位置より30mm後ろ 背中が背板の上部のみに接しているように感じる。背板前面に接してはいるが、面で当たっていた感じが線で当たっているように感じ大きな違和感がある。 背板ベスト位置より10mm前 ベストな時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗って違和感などはほとんど感じない 背板ベスト位置より20mm前 10mm前の時と同じように背中が背板全体にまんべんなくしっかりと重さが乗っているが、若干乗っている面積が少なくなったように感じる。 背板ベスト位置より30mm前 背中が背板の上部の方に当たり、広い面積で接触していた感じが減少し、線で接してくれる幹事が強くなり、大きな違和感がある。

5. まとめ

方法1と方法2から、背板の位置が回転軸より前、後、上、下それぞれ2cm までの範囲では、ベスト位置とあまり変わりない感じを受け、3cm から急激に違和感が増すという結果が得られた。 これらの事を考えると、キャスパーチェアーの胸郭を背もたれに「乗せる」為の回転軸と背もたれの位置関係の範囲は、ベスト位置を基準として前、後、上、下それぞれ2cm までの範囲だと、定義出来る事を発見した。

背板上部 回転軸と背板上部までの距離 背カーブ 背カーブと回転軸との交点 回転軸

回転軸から背板上部の高さは、40mm〜80mm までの範囲とする

左右の回転軸を結んだ線と、背カーブ(任意のライン)の持たれる部分が交わる位置から前後20mm までの範囲とする

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